コラム

博士号研究発表会レポート

博士号取得はスタート! 社会にどう役立てるか 第1回 GLLC博士号研究発表会 開催

2024年10月30日
ビジョンセンター東京虎ノ門

GLLC博士の会は博士号取得支援事業の支援合格者とそのOBによって構成されています。博士号取得支援事業は2011年に始まり、2023年度にちょうど100名の支援を達成しました。それを記念して開催されたのが、第1回の博士号研究発表会です。博士号を取得済みの方と現在チャレンジ中の方を合せて30名が参加し、その中から代表で5名が研究発表と質疑応答を行いました。

本支援事業の始まりは、当財団の松田妙子元理事長が、65歳から研究に取り組み71歳で東京大学の博士号(工学)を取得したことをきっかけとしています。研究をもとに一般社団法人大工育成塾を設立し、国のプロジェクトとして日本の伝統構法を伝承する若い大工志を育成しました。

松田妙子はいつも、「博士号取得はスタート。それをどう社会に役立てるかが大事なのです」と、支援合格者を鼓舞していました。5名の発表者はもちろん、後半の交流会においてスピーチに立ったり活動報告をし合ったりする参加者の表情は、年齢にかかわらずみな明るく、社会に役立ち、そのためにも学び続けるという気概を感じるものでした。

発表者と博士論文テーマ

●2022年度支援合格者 青山学院大学博士号(経営学)

大木 由美子 創業者精神と現代経営におけるLegitimacy: ANA創業者・美土路昌一の事例研究を通して

●2011年度支援合格者 東京大学博士号(教育学)

民内 利昭 歩行の質向上の教育可能性に関する研究
―地面を蹴らない歩行指導を通して-

インタビュー記事(2022年6月掲載)

●2019年度支援合格者 立教大学博士号(社会デザイン学)

内藤 眞弓 子育て女性医師のキャリア形成とジェンダー構造

インタビュー記事(2021年12月掲載)

●2016年度支援合格者 筑波大学博士号(医学)

斉田 要 遺伝子の発見、解明、と産業応用

インタビュー記事(PDF 2018年2月掲載)

●2023年度支援合格者 博士論文執筆中(東京大学大学院学際情報学府)

中島 みゆき 東日本大震災被災地における地域再生と住民合意形成
―石巻市大川地区の事例から―

MCは2013年度支援合格者で2015年に新潟大学博士号(学術)を取得された峯村昌子氏。
生涯学習が近年さらに期待を寄せられていると選考委員長・張競先生の開会あいさつ。
審査のときより格段に成長し学術的な発表だったと選考委員・伊藤弘昌先生の感想。
参加者全員と選考委員ら関係者で集合写真。
生涯学習開発財団の新旧博士号取得支援事業担当理事。(左)富田育男前理事 (右)安井肇新理事。
交流会でも活発な意見交換や近況報告がされていた。
抽選による一言スピーチでも自身の研究テーマをアピール

動画でも発表会の様子をご覧いただけます。

博士号をめでたく取得した方も、チャレンジ中の方も、みなさん表情が生き生きとし、発表やコメントの声に張りがあったのが印象的でした。単に助成金を出しただけでは、こんなに多くの方がご参加してくださるでしょうか。元理事長・松田妙子の激励がみなさんを通して帰ってきているのだと感じさせられる第1回発表会でした。この明るさとエネルギーを、社会と博士のみなさまの発展につなげていきたいと思います。