昨年からさまざまなシーンで、オンライン化が一気に進みました。
会議、授業に学会、診察、飲み会、料理教室まで……。
コロナ下で、こうした催しをオンラインで体験された方は多いと思います。
青山学院大学社会情報学部と当財団が、大人の自由な学びとして2012年から開催しているシンポジウム「多元的共生社会における生涯学習を考える」シリーズも、2020年7月の第22回より、全てオンラインで実施するようになりました。
画面越しにワークショップやクイズ
このオンラインシンポジウムの大きな特徴の一つは、ワークショップやクイズといった体験型イベントを積極的に採用していることです。
「オンラインでワークショップ……いったいどうやるの?」と思われた方も多かったようですが、おおよその流れは次のようになっていました。
- 事前に連絡して、紙や鉛筆など創作に必要な道具を用意してもらう
- シンポジウム中に、短時間で手紙を書いたり、作品をつくる
- 参加者をグループ分けし、作品を発表しあう
創作系ワークショップを行ったのは、第23回「アートを楽しむワークショップ体験ミュージアム」と第25回「日本の美意識でリフレームする」です。
参加者のグループに分けには、Zoomの「ブレイクアウトルーム」という機能を活用。それぞれのグループ内で作品を発表しあったり、ディスカッションを行ったり、シンポジウム内のさまざまなシーンで、参加者が能動的に参加できるように工夫されていました。
第26回 「SDGsで学ぼう! 世界を楽しく救うアイデアのつくり方」では、Zoomの「手を挙げる」機能を使って3択のクイズを実施しました。
「アートに全く無縁だったけど、打ち解けて楽しめた」 「初対面の方とコミュニケーションし、共有できたのがよかった」 「楽しく学ぶことの良さを実感した」 「90分、あっという間でした」
終了後の感想を読むと、こうした体験はなかなか好評だったようです。
他にも、Zoomのチャット機能を利用した質疑応答では毎回、答えきれないほど多くの質問をいただき、参加者はシンポジウムを積極的に楽しんでくださっているようでした。
オンラインシンポジウムのメリット
共催者である青山学院大学 社会情報学部の方には、オンラインになってから印象に残ったことを教えていただきました。
中尾根美沙子さん
「オンラインでの実施になって以降、参加者が全国に広がったことがなによりのメリットだと感じています。講師の方々とも相談しながら、Zoomのリアクション機能を活用し、オンラインでもインタラクティブな場づくりを心がけています。」
酒井章さん(企画・司会)
「オンラインのシンポジウムを最も適切に表現しているな、と感じたのは「全員最前列」という言葉です。リアルな場だと「1(登壇者)対多」なのですが、オンラインだと「1対1」の感覚になります。進行もあえてゆったり、語りかけるようなコミュニケーションが似つかわしいかもしれない、と感じています。」
お二人のお言葉や、お寄せいただいた感想や質問を見ますと、オンラインシンポジウムには、以下のようなメリットがあると言っていいでしょう。
- 場所を選ばず遠方からでも参加できる
- 他人の視線を気にしなくていい
- 最前列感覚で、画面に出される資料も見やすい
- Zoomの機能を利用すれば、気軽に双方向でのコミュニケーションが可能
当財団では、「生涯学習を考える」シリーズのこのシンポジウムが、多様な価値観に気づき、人と人がゆるやかにつながるよう、引き続き支援を続けていきたいと思っています。
2021年11月20日開催の第27回「なぜ私たちは『じゃ、どうすればいいの?』と思ってしまうのか」では、期間限定で動画配信も行います。当日都合のつかない方や、配信をもう一度見たい方にも利用しやすく便利になりました。
オンライン化で気軽に参加できるようになったこの機会に、皆さまもぜひ、視聴してみてください。
オンラインシンポジウム開催実績
■第22回 | 平田オリザさんと考える いま「文化」を学びなおすということ(2020年7月) 講師:平田オリザ |
■第23回 | アートを楽しむ ワークショップ体験ミュージアム(2020年9月) 講師:山原すすむ、栄前田勝太郎 |
■第24回 | 言葉の通じないものと対話する方法 〜小径が開く時〜(2020年11月) 講師:鴻池朋子、ドミニク・チェン |
■第25回 | 日本の美意識でリフレームする(2021年3月) 講師:武蔵野美術大学「日本の発想研究会」 |
■第26回 | SDGsで学ぼう! 世界を楽しく救うアイデアのつくり方(2021年7月) 講師:本田亮 |
関連リンク
生涯学習講演会
2012年からのアーカイブがあります。LLメンバーズは、無料で参加できます。
公開日:2021年11月15日