コラム

ユージン・スミスと松田妙子

伝説の写真家ユージン・スミスの水俣での活動と生きざまを描いた映画『MINAMATA』が、9/23から全国公開されています。 ジョニー・デップが製作と主演、坂本龍一が音楽を担当しています。

映画『MINAMATA』公式サイト

ユージン・スミスは太平洋戦争時に従軍写真家として硫黄島や沖縄に来ていますが、仕事で初めて彼を日本に呼んだのは、当財団前理事長の松田妙子です。1961-1962年のその来日が『MINAMATA』にもつながっているのではないでしょうか。

松田妙子はアメリカのテレビ局NBCでプロデューサとして日本を紹介するなど活躍し、帰国後日本初のPR会社コスモ・ピーアールを設立しました。敗戦から復興する日本の姿を伝えたいと、アメリカまで出向きユージンに日立製作所の撮影を依頼したのです。
『LIFE』に掲載された「東洋の巨人」というその特集は、復興する日本の姿を世界に印象づけました。

六本木材木町アパートにて、ユージン・スミスと別れの記念写真(1962年9月18日) 中央列 右から中田、三木淳、ユージン・スミス、松田妙子、キャロル

当財団の『生涯学習情報誌』2009年12月号には、当時松田妙子の部下でユージン来日時の世話役を担った嶋川弘氏がエピソードを寄稿をされています。

『生涯学習情報誌』2009年12月号 寄稿「東洋の巨人」を読む

(注)寄稿には、嶋川氏の脚色もしくは記憶違いもあります。
※登場する部下の「中田」は嶋川氏本人の仮名です。
※LIFE誌の特集について
・特集タイトルは「GIANT・OF・THE・ORIENT」ではなく「Colossus of the Orient」が事実。
・表紙にはそのタイトルは入っていませんでした。
・カラーではなくモノクロの特集でした。

[佐藤梨奈]