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一.箏 Soh 一.箏 Soh

古典から現代楽曲までこなす、しなやかな音色古典から現代楽曲までこなす、しなやかな音色

三味線は日本の代表的な弦楽器で、棹の太さによって、太棹、中棹、細棹と分けられる。小学生の頃から三味線を習っていた奏者 尾上秀樹さんが、その可能性を紹介します。


弦、撥、駒(弦を支え皮に音を伝えるもの)などの微細な違いで音色が変わる。

 三味線につながる楽器は世界中に見られる。古代エジプトのネフェルに始まり、イランのセタール、中国の三絃などだ。日本には、琉球の三線(さんしん)(蛇皮線=じゃびせん)として、16世紀後半に現在の大阪・堺に伝わった。

 当時の日本は、階級ごとにやってよい音曲や楽器が定められ、雅楽は宮廷・社寺の、能は武家の、祭音曲は庶民のものとされていた。琉球から渡来した三線は一般庶民に開放され、三味線(三つの味わいのある線)の名で日本中に広まった。

 撥(ばち)で演奏するなど改良を加えたのは琵琶法師たち。江戸時代には、歌舞伎、人形芝居、他の楽器との合奏、民謡の伴奏、阿波踊りのような祭り音曲、浪曲などの大衆芸能と、急速に日本を代表する楽器となっていった。

 中棹三味線は三味線の基本形とされる。初期に生まれた、短い歌詞に節を付けてつなげる「組歌」、さらに多くの詞に節を付けた「地歌」(その地の歌という意味)、その後に発展した清元、常磐津などの浄瑠璃にも用いられる。しっとりとした落ち着きのある音色が特色で、箏、胡弓などとの合奏にも適している。

 その後、地歌の歌詞は長くなり、歌舞伎の「長唄」として花開く。長唄では中棹よりも棹が幾分細い細棹三味線が使われる。細棹は華やかな演奏が特徴。他方、大阪で人気を誇った人形浄瑠璃の義太夫節や津軽民謡では、音に力のある太棹三味線が用いられてきた。

奏者に聴いたその魅力

尾上秀樹 Onoue Hideki

尾上秀樹:6歳の6月6日より、母・藤本流総大師範の藤本弥尾地に師事。三味線修行の傍らロックバンドのベース奏者として活動するも、2001年から中棹三味線に回帰。尺八の石垣秀基と「HIDE× HIDE」を結成し、2010年、ロシアのサンクトペテルブルグで行われた「第 1回テレムクロスオーバー国際音楽コンクール」にて1位と特別賞を受賞。 2009年から「AUN Jクラシック・オーケストラ」メンバー。

 母親が東京で三味線教室をやっていて、小学校6年間は言われるままに習っていました。しかし「三味線なんかやってんの」と馬鹿にされる時も多く、中学時代は三味線から離れました。

 エレキベースと出会いバンドを始めたのですが、逆に心に余裕ができ、高校生になって母親の三味線教室を手伝おうという気持ちが生まれたのです。再び三味線を弾き始めると、エレキベースよりも三味線が好きなことに気づき、バンド解散も重なり、三味線に回帰しました。

 でも、三味線教室で習った古典的な楽曲だけではなく、自分で曲を作って発信していこうと決心したのです。

――三味線の魅力は?

 「無駄のない美しさ」という言葉がありますが、日本の古典的な楽曲には、そういった部分が多く見られる気がします。激しい曲でも、間とか侘び寂びに通じる、音と音の間の余韻や静寂があるからです。古典的な楽曲の聴き所です。 一方、現代的な演奏においては、海外で生まれた音楽でも三味線や他の和楽器で演奏すると、かっこいいと感じる相性の良い組み合わせがあります。AUN Jのレパートリーで言えば、「トルコ行進曲」や「カノン」などです。

 三味線がピアノのメロディを弾くと、より寂しくなったり、尺八でバイオリンのメロディを吹くと、より哀愁が漂ったりする時があります。和と洋が融合するだけでなく、和が洋を凌駕する瞬間。それがまた面白く、魅力的だと感じます。

音を聴いてみよう!

シリーズでご紹介している和楽器の音色を聴くことができます。
第二回は「中棹三味線」の音色を、3種類の演奏でお楽しみください

① 伝統的演奏

② 現代的演奏

③ トルコ行進曲

監修者:AUNプロフィール
井上公平・井上良平。1969年大阪にて5人兄弟の末の双子として生まれる。1988年、和太鼓集団・鬼太鼓座(おんでござ)に出会い、高校卒業と同時に入座。2000年に「AUN」として独立。2009年、邦楽界で活躍する若手を集めて「AUN Jクラシック・オーケストラ」を結成。公演回数は国内外で1400回以上。子どもたちに日本文化の魅力を伝えるため、全国の小学校を訪問し、和楽器演奏と桜を植える活動もしている。

AUNの最新情報、ライブのご案内などは公式サイトをご覧ください。
http://www.aunj.jp

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